【12月7日 People’s Daily】上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」や深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板」と比べ、11月に誕生した北京証券取引所は「より早く、よりコンパクトに、より新しく」に重点を置いている。開設から1週間、北京証券取引所は期待通りの活発な動きを見せており、北京の中小企業向け店頭市場「新三板」の精選層に比べて流動性は明らかに改善された。

 11月15日午前9時30分、北京証券取引所が正式にスタートし、11月19日段階で最初に上場した81社の取引総額は212億4900億元(約3780億1971万円)に達した。このうち71社の取引総額は130億1000万元(約2314億4790万円)に上り、新たに上場した10社は平均123.91%上昇した。

 薬品開発企業、三元基因の程永慶(Cheng Yongqing)董事長は北京証券取引所の開幕式で「創新(イノベーション)型企業は活力ある市場の主体であり、北京証券取引所はこうした企業に適切な利益をもたらしてくれる」と語った。

 上場第1陣は、新規上場企業が10社、「新三板」の精選層から移行した企業71社。業種はさまざまだが、革新的な企業にサービスを提供するという北京証券取引所の役割に見合った企業ばかりだ。「新三板」の7000社を超える企業から選ばれ、いずれも堅実な経営状態で成長を続ける優等生だ。25分野の経済をカバーし、ほとんどが各業界のリーダー的存在で、17社は「小さな巨人」と言われている。平均研究開発経費強度は4.2%、平均研究開発経費支出は2536万元(約4億5115万円)に達する。

 適切な環境を構築するには適切なシステムが必要だ。わずか2か月余りの準備期間を経て、北京証券取引所は6つの規約と13の規範文書を発表し、51の規則を形成。より包括的で柔軟な投資環境を整備した。清華大学五道口金融学院の田軒(Tian Xuan)副院長は「さまざまな中小企業の特性を考慮した上場システムだ」と評価。北京証券取引所は4つの上場基準を設定しており、企業の時価総額の最低基準は「科創板」や「創業板」の10億元(約177億9000万円)より大幅に引き下げた2億元(約35億5800万円)としている。企業の成長力や研究開発力を重視し、イノベーション能力の高い企業にチャンスを与えている。また、審査から登録までの期間も「科創板」や「創業板」より1か月短い2か月としている。

 北京証券取引所は登録制度の試行や情報開示に重点を置くと同時に、「科創板」や「創業板」と連携し、問題のある企業の上場を未然に防止するよう徹底している。また、業績が外部の影響を受けやすい中小企業の特性を理解し、重大な法令違反を犯したり持続的な経営能力を失ったりする企業はすみやかに排除していく。(c)People’s Daily/AFPBB News