【12月7日 AFP】実業家の前澤友作(Yusaku Maezawa)氏(46)は7日、あすの宇宙旅行を前にカザフスタンで記者会見を行い、「わくわくしている」と現在の心境を語った。

 前澤氏と関連会社の役員を務める平野陽三(Yozo Hirano)氏の搭乗するロシアの宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」は8日午後、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)から国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられる。

 会見で前澤氏は、「本当にわくわく、どきどきしています。遠足を控える小学生になったような気持ちです」と語った。また、今回の旅行に期待することについて質問されると「地球を宇宙から見たいとか、無重力の状態で浮いてみたいとかある」「この体験を通して自分がどのように変われるのかということも期待しています」と答えた。

 宇宙船には日本国旗と前澤氏の名前のアルファベット「MZ」のマークがあしらわれている。3人乗りで、ロシア人宇宙飛行士のアレクサンドル・ミスルキン(Alexander Misurkin)氏(44)が操縦する。

 前澤氏らはISSに12日間滞在する。その様子は75万人以上が登録する同氏のユーチューブ(YouTube)チャンネルで公開される。同氏はISSでやりたいことを100個決めているという。

 前澤、平野両氏はこれまで数か月間、ロシアの首都モスクワ郊外のガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonauts' Training Centre)、通称「星の町(Star City)」で訓練を受けていた。

 ロシアはこれまで、米国を拠点とする宇宙旅行会社スペース・アドベンチャーズ(Space Adventures)と提携し、観光客7人を宇宙に送り出している。日本人は前澤、平野両氏が初。

 ロシアが宇宙に旅行者を送り出すのは、2009年のカナダのサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)」の共同創設者ギー・ラリベルテ(Guy Laliberte)氏以来となる。

 ロシアは宇宙開発競争で、米国などに後れを取るまいと焦りを深めている。

 米国は昨年、イーロン・マスク(Elon Musk)氏の宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)で、宇宙飛行士をISSに送り込むことに成功。ISSへの有人飛行は長年、ロシアが独占していた。(c)AFP/Anastasia CLARK