【12月6日 AFP】世界の軍事大手は2020年、新型コロナウイルス流行に伴う不況の影響をおおむね回避し、6年連続で黒字を増やしたとする報告書をスウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が6日に発表した。

 SIPRIによると、各国政府は新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)のさなかも兵器調達を続け、国内の軍事企業を支援する法案を可決した国も複数あった。世界経済は19年比で3%以上縮小したが、世界の軍事大手100社の利益総額は同1.3%増加し、過去最高の5310億ドル(約60兆円)に上った。

 売り上げトップは米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed-Martin)の582億ドル(約6兆5900億円)で、上位5社は全て米国企業だった。6位は英BAEシステムズ(BAE Systems)で、7〜9位に中国企業3社が入った。

 報告書は、「中国が主要な兵器生産国として台頭してきた背景には、兵器製造で自立を強める目的と、野心的な近代化計画を推進してきたことがある」と述べている。

 上位100社に入った中国企業5社の売上総額は推計668億ドル(約7兆5600億円)に上り、前年比1.5%増となった。SIPRIのナン・ティアン(Nan Tian)上級研究員は、中国の軍事企業について「世界最先端の軍事技術製造企業の仲間入りをした」との見方を示した。

 軍事産業上位国のうち、2020年に売り上げを落としたのはフランスとロシアだけだった。(c)AFP/Marc PREEL