【12月12日 AFP】あるときは医薬品に見せかけ、あるときはパンの配達を装う。キリスト教福音派の信者を顧客とするポルノショップが広がりつつあるブラジル──その一つを営むアンドレア・ドス・アンジョス(Andrea dos Anjos)さん(43)は、商品発送の際、どんなパッケージを使うにしても慎み深さが肝心なことを心得ている。

 バプテスト派の信者でリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に住むドス・アンジョスさんは、2019年にアダルトグッズを販売するオンラインショップ「メモリアス・ダ・クロ(Memorias da Clo)」を立ち上げた。多くの保守的なブラジルのキリスト教徒が今もタブー扱いしている人生の一部、つまり性生活のためにデザインされた商品について、福音派の女性が安心して質問したり、アドバイスを求めたりできる空間を提供している。

 同じく草分けのカロリナ・マルケス(Carolina Marques)さん(26)も1年前、福音派向けのポルノショップ(本人は「ラブストア」という名称を好む)「コンセンスアル(ConSensual)」をオープンした。

 オンラインカタログには、セックス玩具やフレーバー付きの潤滑剤など「人間関係を補助する製品」が並んでいる。アダルトグッズ販売に付き物の過激さは一切なくし、そつなく紹介している。顧客がサイトを見ているときに誰かが部屋に入ってきても「慌ててノートパソコンを閉じる必要がない」ことがポイントだとマルケスさんは言う。

 オンラインショップを開設するに当たり、地元の教会の牧師夫婦に相談したところ「セックスショップ」と呼ぶのはやめたほうがいいと助言された。「パッケージにも気を付けるようにといつも言ってくれます」

 ブラジルの人口2億1300万人の約30%を占める福音派の人々にとって、慎み深さは最も重要な価値観だ。「私たちキリスト教徒は、いまだ性にまつわることをタブー視しています。でも結婚生活の中で、配偶者との間では自然なことでしょう。セックスは子どもをつくるためだけのものだという烙印(らくいん)をなくしたいのです」とマルケスさんは語った。