【12月6日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の年間チャンピオンに輝いた経験を持つエマーソン・フィッティパルディ(Emerson Fittipaldi)氏の孫で、現在チャロウズ・レーシング・システム(Charouz Racing System)からフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)に参戦しているエンツォ・フィッティパルディ(Enzo Fittipaldi)が、5日の第7戦サウジアラビア・レース3で大クラッシュを起こし、病院へ緊急搬送された。国際自動車連盟(FIA)が発表した。

 20歳のフィッティパルディは、スタート直後にグリッドでマシンが動かなくなってしまったARTグランプリ(ART GRAND PRIX)の18歳、テオ・プルシェール(Theo Pourchaire)に激しく追突した。

 F2は「両ドライバーは意識があり、駆けつけたメディカルスタッフによって運び出された。その後二人とも救急車とヘリコプターで搬送され、現在はジッダ(Jeddah)のキング・ファハド軍病院(King Fahad Armed Forces Hospital)にいる」と発表した。

 ブラジルのテレビ局の報道では、二人とも命に別条はないが、フィッティパルディは足首を骨折したと伝えられている。

 プルシェールについては、アルファロメオ(Alfa Romeo)のフレデリック・バスール(Frederic Vasseur)代表が、F1第21戦サウジアラビアGP(Saudi Arabian Grand Prix 2021)決勝のスタート前にAFPの記者に対して「テオは元気で、骨折もしていない」とコメントした。

 本人も後にツイッター(Twitter)で無事を報告し、「現時点では、僕のシーズンがこれで終わりになるかは分からない。だけど一番重要なのはそこではなく、本当に大きなクラッシュで、エンツォがけがをしたことだ。彼の最善の回復を祈っている」と書き込んだ。

 フィッティパルディの祖父のエマーソン氏は、チーム・ロータス(Team Lotus)に所属した1972年に当時最年少となる25歳で年間チャンピオンに輝き、マクラーレン(McLaren)に移籍した2年後にも総合優勝を果たした。

 フィッティパルディの兄のピエトロ(Pietro Fittipaldi)もレーシングドライバーで、2020年には負傷したロマン・グロージャン(Romain Grosjean)の代役として、ハース(Haas F1 Team)からサキールGP(Sakhir Grand Prix 2020)でF1デビューを飾っている。(c)AFP