【12月5日 AFP】イラン中部ナタンズ(Natanz)のウラン濃縮施設近くの上空で4日、大きな爆発が起きた。軍は防空演習によるものだとしている。

 国営イラン通信(IRNA)によると、濃縮施設から20キロの距離にある都市バドルド(Badroud)で、複数の住民が爆発音を聞き、上空で何かが爆発したことを示す光を目撃した。

 イラン軍の報道官を務めるアミル・タリクハニ(Amir Tarikhani)将軍は国営テレビで「1時間前、この地域のミサイル防衛システムの一つを点検し、地上配備の状態を確認した。心配することは何もない」と述べた。

 ナタンズの濃縮施設はほぼ全てが地下にあり、鉄筋コンクリート製の壁や天井で覆われている。

 イランの核開発をめぐっては、イスラエルが武力行使を含むあらゆる手段で核兵器能力の獲得を阻止すると繰り返し表明。イランは、核施設周辺の防衛強化のため定期的に演習を行っている。

 タリクハニ将軍は、「こうした演習は安全を完全に確保した環境で、統合防衛ネットワークと十分に連携しつつ実施している」と語った。

 2015年のイラン核合意の再建に向け先月29日に始まった協議は難航している。米国は今月4日、イランが交渉の進展を故意に遅らせ、その間にウラン濃縮などの核関連活動を加速させることは認めないと警告した。(c)AFP