【12月4日 AFP】ロシア当局は2日、狭いいけすで多数のシロイルカ(ベルーガ)やシャチを飼育していたことで悪名高い「イルカ監獄」を解体したと発表した。

「イルカ監獄」は極東ナホトカ(Nakhodka)に近いスレドニャヤ湾(Srednyaya Bay)でひそかに運営され、2018年には100頭近いシロイルカとシャチが飼育されていた。多くは中国の水族館に輸出されることになっていた。

 2019年に動物愛護団体や環境保護団体が解放を求める運動を展開し、現在はすべてのシロイルカとシャチが海に放されている。

 環境保護団体は、今回の措置を歓迎している。

 解放運動を主導したNGO「サハリン環境ウオッチ(Sakhalin Environmental Watch)」のドミトリー・リシツィン(Dmitry Lisitsyn)代表は、もっと早く解体すべきだったとして、「私たちはこの施設を閉鎖し、シロイルカとシャチを解放するために全力を尽くした」と語った。

 リシツィン氏は、海に返すのは「非常に大変」だったと話す。大半が生まれたばかりで野生の生活に適さなかったため、野生復帰プログラムを経てオホーツク海(Sea of Okhotsk)に放された。

 リシツィン氏によると、把握している限り「イルカ監獄」は国内にこの施設しかないが、水族館でショーをさせるために大型の海洋動物を劣悪な環境で飼育する施設は他にもある。(c)AFP