【12月4日 AFP】(写真追加)米中西部ミシガン州の高校で先月30日に起きた銃乱射事件で、容疑者の少年の両親が3日、過失致死罪で訴追された。米国では学校での銃乱射事件が頻繁に起きているが、保護者が責任を問われるのは異例。

 同州デトロイト(Detroit)北郊にあるオックスフォード高校(Oxford High School)で発生した銃乱射事件では、14~17歳の生徒4人が死亡し、さらに生徒6人と教師1人が負傷。生徒のイーサン・クランブリー(Ethan Crumbley)容疑者(15)が、殺人とテロの罪で成人として訴追された。

 地元オークランド(Oakland)郡のカレン・マクドナルド(Karen McDonald)検察官は記者会見で、イーサン容疑者の両親であるジェームズ(James Crumbley)とジェニファー(Jennifer Crumbley)両容疑者が、それぞれ4件の過失致死罪で訴追されたと発表。訴追の理由として、「この悲劇に加担した人物の責任を追及するとともに、銃の所有者にも責任があるというメッセージを伝えるため」と説明した。

 父親のジェームズ容疑者は事件の4日前、イーサン容疑者を連れて地元銃器店で凶器の半自動式拳銃を購入。イーサン容疑者は後に自身のSNSアカウントに銃の写真を投稿し、「きょう、新しい絶品を手に入れた」とハートの絵文字付きで書き込んでいた。

 警察によると、イーサン容疑者は事件前、学校で翌日に襲撃事件を起こす計画を立てていると語る動画を携帯電話で撮影していたが、インターネット上には投稿しなかった。

 マクドナルド検察官によれば、両親は事件の数時間前、息子が描いた暴力的な絵を懸念した学校に呼び出されていた。両親は学校のカウンセラーと話したものの、息子を連れて帰るのを断り、帰宅したという。

 イーサン容疑者は教室に戻ってしばらくしてトイレへ行き、リュックサックの中に隠していた銃を取り出して、乱射を始めた。マクドナルド氏によると、母親のジェニファー容疑者は事件を知ったとき、息子に「イーサン、やめて」とメールしていた。(c)AFP