【12月4日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)は3日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の訪問に合わせて、仏製戦闘機ラファール(Rafale)80機を140億ユーロ(約1兆8000億円)で購入する契約に署名した。同機の海外への売却契約としては過去最大。

 マクロン大統領は2日間の日程で、UAE、カタールとサウジアラビアの湾岸諸国を歴訪する。最初に訪れたUAEでは、アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザイド皇太子(Crown Prince Mohammed bin Zayed)と会談し、ラファールの売買契約を締結した。

 仏防衛産業の大口顧客であるUAEはさらに、軍用輸送ヘリコプターのカラカル(Caracal)12機を購入する契約にも署名。契約の総額は170億ユーロ(約2兆2000億円)以上に上った。

 仏大統領府は「これは両国の戦略的パートナーシップの成果であり、両国の独立と安全保障のために協働していく能力を強化するものだ」と歓迎した。

 フランスは、同国製の兵器がイエメンで使用されたとして批判にさらされている。イエメンではサウジアラビア主導の連合軍とイランの支援を受ける反政府勢力との戦闘が続き、世界最悪規模の人道危機が起きている。

 新規購入されるラファールは、UAEがフランスから1998年に購入した戦闘機ミラージュ2000-9(Mirage 2000-9)60機に代わるものとなる。10年前、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元仏大統領も新規契約の締結を目指したが、妥結に至っていなかった。

 ラファールはその後、競合する欧米のメーカーをしのぎ、国際市場で躍進。UAEに加え、カタール、インド、エジプト、ギリシャ、クロアチアの5か国が契約を結んでいる。(c)AFP/Jérôme RIVET