【12月3日 AFP】中国女子テニスの彭帥(Peng Shuai)選手が、前副首相から性的関係を強要されたと告発した問題で、当局がインターネット上の言及を抹消しようと急ぐ中、同国のソーシャルメディアユーザーらは、「ウリを食べる」「あの人」などの隠語を用いて検閲をかいくぐっている。

 彭選手が先月、張高麗(Zhang Gaoli)前副首相による性的暴行をネットで告発すると、この投稿や同選手への言及はたちまち検閲され、削除された。

 彭選手による告発はツイッター(Twitter)で拡散し、国際社会から非難が殺到した。中国では、ツイッターはブロックされているが、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使えばアクセスは可能となっている。

 多くの中国ネットユーザーが、検閲回避のために工夫を凝らしている。あるユーザーは微博(Weibo、ウェイボー)のテニスのカテゴリーで、テニス界で爆発した「大きなウリ」について投稿した。

 中国のネットスラングで、ウリを食べるという意味の「吃瓜」は、盛んにうわさ話をすることを意味する。

 彭選手の告発が深夜に投稿された後、あるユーザーは「寝ている時でも、ウリを食べるために起きなければならない」と投稿。さらに張前副首相を「当事者」と呼び、「政治絡みであまりにデリケート」と表現していた。この投稿はすでに削除されている。

 当局は、彭選手に関する隠語が使われている投稿を迅速に特定し、削除している。レビューサイト「豆弁(Douban)」上の韓国ドラマ「総理と私(Prime Minister & I)」のページでさえも、ユーザーが同選手の問題を議論し始めると、閲覧できなくなった。

 だが、関連投稿は膨大な数に上るため、彭選手に関係のないソーシャルメディアの片隅では特に、投稿の一部は消去されずに残っている。

 女子テニス協会(WTA)の略称の一部を伏せて「*TA」とし、*TAが1日に中国大会の中止に動いたのは「あの人のせいなのか?」と問う投稿は、削除されていない。(c)AFP