【12月3日 AFP】ラオスで3日、中国が約6800億円を投じて建設した鉄道が開通した。内陸国ラオスの経済活性化が期待される一方で、巨額の債務が懸念されている。

 414キロに及ぶこの新鉄道は、中国が進める「一帯一路(Belt and Road)」構想の一環で、5年を費やして建設された。

 中国の雲南(Yunnan)省昆明(Kunming)とラオスの首都ビエンチャンを結び、最終的にはタイやマレーシアを経由してシンガポールまで高速鉄道を走らせる壮大な計画だ。

 ラオスのトンルン・シスリット(Thongloun Sisoulith)首相は「現代的なインフラ開発の新時代」が自国に到来したと歓迎した。

 また中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、開通式にオンラインで出席し、新鉄道は「両国の人々に恩恵をもたらすだろう」と祝辞を述べた。

 人口720万人の社会主義国ラオスにはこれまで、合わせてわずか4キロの線路しかなかった。新鉄道の車両は、計10か所の駅、75本のトンネル、167本の橋を通り、最高時速160キロで運行する。

 ラオス国営メディアによると、通常運行は4日から開始される予定だが、乗客は新型コロナウイルスワクチンの接種完了者に限定される。

 アナリストらは、新鉄道による経済活性化の可能性は認める一方で、インフラの乏しいラオスが約1200億円の債務をいかに返済していくのか、また最先端の交通システムを活用していけるのかといった疑問を投げ掛けている。(c)AFP