【12月3日 AFP】カナダ西部ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州ペンティクトン(Penticton)で1日、気温が冬の観測史上最高タイとなる22.5度を記録した。ペンティクトンの南東数百キロに位置する同州リットン(Lytton)では今夏、観測史上最高の49.6度を記録していた。

 カナダ環境・気候変動省の気象学者アルメル・カステラン(Armel Castellan)氏は「(冬の)観測史上最高だ。正確に言えば最高タイだ」とAFPに語った。1982年12月3日、オンタリオ(Ontario)州南東部ハミルトン(Hamilton)でも22.5度を記録したという。

 カステラン氏は「9月以降、亜熱帯地方から大量の暖気が流入している」と説明した。

 ブリティッシュコロンビア州南西部ではここ1週間、上空に大量の水蒸気が流れ込む「大気の川」と呼ばれる現象が起きている。同州では11月半ば以降、豪雨で大規模な洪水が発生しており、当局は気候変動と関連があるとみている。

 暖気は米北西部にも広がっており、ワシントン、モンタナ、ワイオミング、ノースダコタの各州では冬の観測史上最高気温、またはそれに匹敵する気温を記録。平年を1.6度上回る気温となっている。

 ネブラスカ州オマハ(Omaha)では2日、温暖前線の影響で20度を記録、冬の史上最高を更新した。

 カリフォルニア州当局は来年に向けて、熱波対策を促すために、予想される死者数に応じて熱波の危険度を分類する警報システムの導入を検討している。

 最近の研究では、熱波の一部は気候変動が直接の原因であることが示されている。世界の異常気象を分析している専門家団体ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)は、6月にカナダを襲った熱波は、人為的な地球温暖化がなければ「まず起きなかった」と指摘している。(c)AFP