【12月3日 Xinhua News】カナダの高級ダウンジャケットメーカー、カナダグースが商品の返品と交換を巡り、中国大陸とそれ以外の国・地域で異なる制度を適用していたとして、上海市消費者権益保護委員会は1日、同社関係者らを呼び出し、公平性などの問題について指導した。

 事の発端は、上海のカナダグース専門店で1万元(1元=約18円)以上のダウンジャケットを購入した消費者からの苦情だった。購入時に「法律で別途定めがある場合を除き、中国大陸地区の専門店で販売したいずれの商品も返品不可」とする一方的な内容の同意書に署名させられ、帰宅後に品質に問題があることに気付いたが、何度返品を申し出ても断られたという。

 同委員会によると、カナダグース側が指導の最中に説明した返品・交換の流れと消費者が訴えた実際の状況には異なる点がいくつもあった。消費者に署名させた同意書の具体的な内容について説明を求めたが、言葉を濁し、明確に答えられなかった。

 同委員会の唐健盛(Tang Jiansheng)副秘書長は、カナダグースが指導前に出した声明には「関連する法律や規定に合致する場合、中国大陸地区の専門店で販売したいずれの商品も返品・返金が可能」と書かれていたが「どの法律を適用」して「合致するかをどう判断するか」などは不明確だと指摘。「このようなもっともらしい声明を出しただけで消費者を納得させることができないのは明白」だとして、カナダグースに対し、2日正午までに同意書に関する正式な説明を提出するよう要求したと説明した。

 カナダグースのグローバル公式サイトを見ると、返品・交換制度について「購入から30日間は理由を問わず返品可能」としている。これについて、カナダグース側の責任者は指導の場で「この制度は中国大陸では適用していない」と表明した。同委員会は中国大陸とそれ以外の国・地域で「二重基準」を実施している可能性があると指摘した。

 カナダグースは今回の問題に先立ち、自社製品を高品質で希少なハテライトダウンを使い「最も保温性に優れている」などと虚偽の宣伝をしたとして、上海市の市場監督管部門から45万元(1元=約18円)の罰金処分を受けている。(c)Xinhua News/AFPBB News