5Gは中国の鉄鋼業界に活力を与える
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【12月6日 People’s Daily】中国では近年、「5G+産業インターネット」がビッグデータを活用し、遠隔制御、共同作業、故障診断などの機能の応用を加速させ、この伝統的な業界の質向上を後押ししている。
巨大なマグネットつり具が、何トンもの廃鋼材を吸い付け、引き上げ、運び、位置を調整し、輸送車の荷台に正確に置く。湖南華菱湘潭鋼鉄会社(Hunan Valin Xiangtan Iron and Steel、華菱湘鋼)の5メートル幅広厚板工場の製鋼区では、4台の天井クレーン(橋形クレーン)が整然と作業を進めている。
この時、オペレーターの譚彬(Tan Bin)さんは広い遠隔操作室に座り、スクリーンを見ながら、ジョイスティックを動かし、ボタンを押し、簡単に積載・つり下げ任務を完了させた。
華菱湘鋼生産設備部の何煒(He Wei)副部長の紹介によると、新技術の超信頼性と超低遅延を利用し、データの超高速アップロードとダウンロードを行い、設備の精密な操作を可能にし、真に人と機械の分離を実現した。5G+天井クレーンのスマート化改造は、作業員の仕事の効率を大幅に向上させた。
鉄鋼メーカーにとって、コークス炉は欠かせない設備だ。コークス炉の4大移動機械である押出機、ガイド車、消火車、装入車は、分業しながらも連動し、シグナル伝達により有機的に統一されている。
中央制御室のモニターには、4大移動機械の運転データが一目瞭然になっている。管理システム全体は、機械の運転状況をリアルタイムで監視できるほか、マンマシン対話で業務指令を下すこともできる。「コークス炉の4大移動機械の運転データは、設備本体から集中的に中央制御室にアップロードされる。以前は、帯域幅が低かったため、画像伝送はよく遅行があった」と、河北省(Hebei)唐山市(Tangshan)にある首鋼京唐会社(Shougang Jingtang Iron & Steel United)コッキング部生産室スタッフの丁洪旗(Ding Hongqi)氏は述べた。
鉄鋼業界は典型的なプロセス生産業界にあたり、生産プロセスは連続しており、復雑な環境の下でタイムリーに大量の情報を伝えたい場合、従来の情報システムではすでに継続が難しく、スマート製造のニーズが切実だ。2019年、京唐公司コッキング部は5G技術を4大移動機械の遠隔操作に応用し、多機のスマート化との同期連動を実現し、設備の遠隔操作モードにより信頼性、効率性、安全性を高めている。
「われわれは今、画像の安定、安全、高速伝送を実現している。中央制御室は分析、論理的判断を経て、機械のプログラマブルロジックコントローラーに指令を出し、4大移動機械の分業を実現する」と、丁氏は説明した。首鋼京唐公司は2019年以降、「5G+産業インターネット」などの技術を利用し、鉄鋼製造技術と装備のモデル転換・アップグレードを推進し、生産効率を約15%向上させた。
鞍鋼集団(Angang Steel)情報産業会社の劉佳偉(Liu Jiawei)首席研究員によると、「『5G +産業インターネット』で重要な基盤設備をアップグレードした後、設備センサーが収集した温度、振動、圧力、流量などのデータを、リアルタイムにクラウドに伝送し、AIとビッグデータ分析を通じて、リアルタイムのモニタリング、診断、処置などを実現できるようになる」という。
「5G+産業インターネット」の活用により、デバイスのアクティブメンテナンスも可能になった。劉氏は「現在、ベテラン作業員の経験をデータモデルに変換し、データ分析を通じて、科学的に設備をメンテナンスし、設備に対する全ライフサイクル管理を実現した」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News