【12月3日 People’s Daily】毎年、「双11(11月11日の独身の日)」セールが大きな話題になる。今年、中国の各プラットフォームにおける「双11」の売買成立データは、依然として成長の勢いを保っている。

 11月11日午後11時59分の時点で、京東(JD.com)の「双11」の累計注文金額は3491億元(約6兆1900億円)を超え、前年同日を上回った。11月10日午後8時、京東プラットフォームでの家電売買成立の金額は5分で20億元(約354億円)を超えた。

 11月12日午前0時の時点で、天猫(Tmall)の「双11」の総取引高は5403億元(約9兆5800億円)に達した。天猫では、数社の中小ブランドの販売量が飛躍的な成長を遂げている。11月1日午前0時から11月11日午後11時までに、昨年売買成立金額の100万元(約1770万円)以上の中小ブランド698社は、今年の売上高が1000万元(約1億7700万円)を超えた。

 商務省中国国際電子商取引センターマクロ消費首席専門家の李政波(Li Zhengbo)氏によると、「双11」を代表とする販促活動は、すでに多くの消費者が認め、受け入れる重要なショッピングイベントとなっている。「双11」は中国消費市場の巨大な潜在力を示すだけでなく、消費における自信をさらに高めるだろう。

 今年の「双11」セールでは、農産物の値上がりが目玉となっている。ECプラットフォームはアクセス率の優位性を発揮し、農産物の値上がりルートをスムーズにし、農民の増収を促進した。

 李氏は長年の発展を経て、消費者が「双11」でショッピングする習慣も変化していると考えている。例えば、商品の品質をより重視し、消費心理がより理性的になり、配送体験をより重視する傾向にあることなどだ。これらの変化は、新たな消費ニーズを生み出す一方で、プラットフォームへの期待も高まっている。ブランド事業者と物流企業は注文のピークにうまく対応し、持続的で安定した優良サービスで消費者の関心度とブランドへの執着を高める必要がある。

 中国の消費市場を観察する重要な窓口として、「双11」の売買成立データからも中国の消費市場のアップグレードの傾向がうかがえる。

 健康関連消費は「双11」のホットスポットの一つとなっている。京東健康(JDヘルス)プラットフォームでは、「双11」の開始1分で、魚躍(Yuwell)酸素発生器の売上高が100万元を超えた。開始5分で、京東大薬局の売買成立額は前年同期比で100%以上上昇した。

 蘇寧易購(Suning.com)プラットフォームでは、ハイエンド・ミドルレンジ家電が消費者の人気を集めている。パッケージ家電の販売は前年同期比で46%増加し、グリーン・低炭素理念に合致した省エネ・低消費家電製品(新1級省エネエアコン、省エネ冷蔵庫)の販売は39%増加した。

 今年の「双11」では、サービス消費もキーワードとなっており、家事代行、自動車メンテナンス、健康診断、インテリアなどのサービスが消費者の注目を集めている。途虎養車(Tuhu)プラットフォームのデータによると、「双11」期間中、メンテナンス受注は前年同期比で40%近く増加した。

 中国社会科学院財経戦略研究院の李勇堅(Li Yongjian)研究員は次のようにみている。オンラインとオフラインの深い融合により、「双11」は新たな特徴を見せている。一方で、オンラインプラットフォームはAIなどの新技術を利用し、ショッピング体験をさらによいものにしている。そのほか、オフラインショッピングも積極的にモデル転換しており、体験、エンタメ、社交などの要素も組み入れ、消費により多くの利便性を提供している。供給側が絶えず改善されてきた「双11」は、中国市場のより大きな消費潜在力を刺激し、新たな発展構造の構築を加速させる上での消費の役割をより一層発揮させるのに役立つだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News