【12月1日 AFP】米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は11月30日、製薬大手メルク(Merck)の新型コロナウイルス経口治療薬について投票を行い、承認を勧告することを決定した。投薬が容易であることに加え、「オミクロン株」を含む変異株への効果も期待される。

 メルクの経口抗ウイルス薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」は、すでに英国で承認されている。発症から5日以内に服用すると、重症化リスクの高い患者の入院率や死亡率が下がると報告されている。

 FDAは今後、コロナ治療薬としてのモルヌピラビルの緊急使用を許可する見通しで、近く大量の同薬が流通することになる。

 FDAが任命した第三者の科学者から成る諮問委の投票結果は、賛成13、反対10と僅差だった。最近発表された試験結果で有効性が当初の発表より低くなったことや、副作用への懸念が反映されている。

 カイザー・パーマネンテ・ワシントン健康研究所(Kaiser Permanente Washington Health Research Institute)のサシャ・ダブリン(Sascha Dublin)委員は同薬について、有益性が高いと考えて賛成したと明かした一方で、用法を厳格に規制し、使用が最適と認められる患者のみに処方することが重要になると述べた。(c)AFP/Issam AHMED