【12月2日 Xinhua News】中国西部の四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)と甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)を結ぶ成蘭鉄道の躍竜門トンネル左線が11月28日午前11時(日本時間正午)、3160日間にわたる努力を経て、掘削工事を終了した。これは中国の主要な鉄道建設で竜門山断層帯における単線トンネルの貫通に成功したことを示している。

 成蘭鉄道は、縦横各8本のルートからなる中国の高速鉄道網「八縦八横」の西ルート(甘粛省蘭州市ー広東省広州市)の重要な構成部分、設計時速は200キロ。青海省(Qinghai)西寧市(Xining)と西蔵(シーザン)自治区ラサ市(Lhasa)を結ぶ青蔵鉄道に続き、標高3千メートル以上を走る中国の新たな「天路(天の道)」となる。躍竜門トンネルは、成蘭鉄道プロジェクトで乗り越えなくてはならない重要課題とされていた。

 建設を請け負った中国鉄道建設大手、中国鉄建傘下の中鉄十九局集団成蘭鉄道プロジェクトの劉国強(Liu Guoqiang)副総工程師(サブチーフエンジニア)は、トンネル建設に9年の歳月を要したことについて、活断層帯や軟岩の大きな変形、カルストの湧水帯、40度以上の高い地中温度、高濃度の有毒・有害ガス、地質災害など相次ぐ困難を克服してきたからだと説明した。

 躍竜門トンネルは、貫通した全長19・9キロの左線と同20・0キロの右線を別々に掘削、作業坑は全長71キロを超え、最大深度は1445メートルに達した。中国中鉄傘下の実地調査・設計企業、中鉄二院が設計し、中鉄十九局集団と中鉄五局集団が建設を請け負った。(c)Xinhua News/AFPBB News