【12月1日 AFP】男子テニスの世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の父親が、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)の新型コロナウイルスワクチン接種を義務づけるやり方は「脅迫」のようだと発言したことに対し、大会が開催される豪ビクトリア(Victoria)州のスポーツ相が1日、脅迫ではなく安全のために必要な措置だと強調した。

 現在34歳のジョコビッチは、出場すれば全豪で単独最多となる四大大会(グランドスラム)21勝目を狙うことになるが、大会責任者を務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏が、全選手がコロナワクチンの接種を受けなければならないと発言している中で、接種の有無を明らかにしていない。

 そうした中でジョコビッチの父スルジャン(Srdjan Djokovic)さんは先日、セルビアの国内メディアに対して「もちろん、息子は心から行きたいと思っているだろう」と話した上で、「しかしそうなるかは分からない。今の条件ではおそらく出ないだろう。このような脅迫めいたやり方ではね」と発言していた。

 これに対して、ビクトリア州のマーティン・パクラ(Martin Pakula)スポーツ相は、ジョコビッチの全豪オープン出場を熱望しながらも、「他国を訪問するテニス選手やスポーツ選手全般には、迎える側の現地コミュニティーに対する責任がある」と話し、「だからこそわれわれは、各国のテニス選手に対し、ビクトリアの州民と同じ要件に従うことを求めている」と続けた。

「脅迫ではない。ビクトリア州のコミュニティーを必ず守るために必要なことだ」

 タイリー氏は、出場選手は全員ワクチン接種が必要で、特例は認めないと話している。新たな変異株「オミクロン株」の出現でこれから状況が複雑になる可能性はあるが、主催者は、接種が完了している選手は隔離なしで入国でき、隔離環境「バブル」に閉じ込められることもないと発表している。

 来季のグランドスラム初戦である全豪オープンは、来年1月17日に開幕する予定となっている。(c)AFP