【12月1日 AFP】スウェーデンの感染症対策責任者で疫学者のアンデシュ・テグネル(Anders Tegnell)氏は11月30日、AFPのインタビューに対し、過去の新型コロナウイルス対策は効果があったとし、変異株「オミクロン株」が出現しても従来の対策に大きな変更はないとの見解を示した。

 スウェーデンは一度もロックダウン(都市封鎖)を実施していない。ただ、特定の状況でマスク着用が推奨された他、介護施設への訪問禁止、公共イベントの人数制限、飲食店やバーでの人数制限と時短営業が導入された。

 スウェーデンの新型コロナの死者数は1万5000人と北欧諸国の平均を大幅に上回っているものの、欧州平均と同じぐらいだという。

 テグネル氏は、オミクロン株については、従来の新型コロナ対策で対応できるとし、「過去に効果があった。今のところ(従来の対策が)機能しない理由は見当たらない」と述べた。

 また、変異株も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)であることには変わりないと指摘。「これまで実施してきた対策が今回の変異株にも効果があると信じる十分な理由がある」と語った。

 ワクチンがオミクロン株をどの程度防ぐことができるのかが最大の懸念事項だが、判断を下すための十分なデータがないとし、「これまでの変異株よりも重症化するという兆候はいまのところはない」と述べた。

 スウェーデンの現在の1日当たりの新規感染者は欧州では少ない方だが、テグネル氏は今後数週間で増加するとの見通しを示した。「(新たな)波が発生する可能性は高いものの、今回は人口の大半がワクチン接種を受けていることが大きな違いだ。医療制度に対する負担ははるかに少ないと考える」と語った。(c)AFP