【12月1日 AFP】世界保健機関(WHO)は11月30日、新型コロナウイルスワクチン未接種の高齢者ら重症化・死亡リスクの高い人は流行地への渡航を延期すべきとの見解を示した。

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 WHOは新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大を受けた渡航制限に関する提言で、「一律に渡航を禁じても、国際的な感染拡大を防ぐことはできず、人々の生活に多大な負担をかける」と指摘。「さらに、パンデミック(世界的な大流行)中に疫学やシーケンシング(塩基配列解明)のデータを報告・共有するのを各国が控えることになれば、国際的な保健上の取り組みに悪影響が出る恐れがある」と述べた。

 渡航を制限する際には「根拠とリスクに基づいたアプローチ」を用いるよう求めた。

 WHOによると、11月28日時点で56か国が渡航制限を導入している。「各国当局が監視とシーケンシングを強化すれば、オミクロン株が見つかる国は増えるだろう」と述べた。

 WHOは後に提言の最後の部分を訂正。「ワクチン接種を完了していないか新型ウイルスに過去に感染したことを証明できない人のうち、60歳以上や心臓病、がん、糖尿病などの基礎疾患のある人は、流行地への渡航を延期すべきだ」とした。(c)AFP/Robin MILLARD