【12月5日 People’s Daily】澄んだ海水、白く輝く砂浜、どこまでも伸びる海岸線…。3年の時を経て、中国北部の渤海浄化活動は着実な成果を挙げている。

 半閉鎖型の内海である渤海は独特の生態系を持つが、長期にわたり陸上から汚染物質が排出され、環境破壊が深刻となっていた。2018年から渤海総合管理行動計画が始まり、現在は最終局面に入っている。生態環境省によると、2020年の渤海沿岸の優良水質(1、2類)比率は82.3%に達し、計画目標の73%より9.3ポイント上回った。計画前の2017年と比べると15.3ポイントも上昇している。渤海へ流入する汚染物の調査、沿岸の湿地や海岸線の修復など、いずれの重要項目でも大きく改善された。

「3年間の闘いを通じてかつてないほどの汚染防止の取り組みが行われ、近海の水質は大幅に改善されました」と話すのは、生態環境省海洋生態環境局の張志鋒(Zhang Zhifeng)副局長。「渤海総合管理行動計画は第13次5か年計画(2016~2020年)期間における七つの主要な計画の一つであるだけでなく、海洋汚染に対する最初の取り組みであり、その意義と影響は大きい」

 この3年間、渤海に面する3省1市は陸と海、川と海、実態と原因をトータルにとらえ、「一河一策」の要求に基づき、水質改善プログラムや流域河川の管理を強化してきた。天津市(Tianjin)は12の河川でそれぞれ必要な対策を実施。生態環境省によると、天津市沿岸の優良水質比率は2017年の16.6%から2020年には70.4%に上昇した。2020年までに、渤海に流入する49の河川は劣悪な水質5類から脱却した。

 2019年1月、生態環境省は河北省(Hebei)唐山市(Tangshan)で渤海への流入調査を試験的に開始。3か月後には渤海海域の13都市の海岸線3600キロを本格的に調査した。ドローンによる調査や徒歩による実地調査、専門家による核心調査の3段階を通じ、3省1市から排出される汚水の追跡調査を行い、約1万8000か所の排出元を分析した。2020年と2021年前半、唐山市沿岸の優良水質比率は100%に達した。

 渤海3大湾の一つ、莱州湾はかつて海水汚染が深刻だったが、今では海岸を歩くと海水は澄み、きれいな砂浜が広がっている。沿岸の優良水質比率は2021年3月が71.6%、5月が51.4%、8月が77.7%となり、2018~2020年の同時期の平均値と比較してそれぞれ39.6ポイント、21.4ポイント、11.8ポイント上昇している。張志鋒副局長は「3省1市は海の環境浄化メカニズムを確立し、海上ごみの適時除去と常時監視を徹底している」とたたえる。

 3省1市はこの3年間で、沿岸の湿地8891ヘクタールを修復。目標の6900ヘクタールを大きく上回った。海岸線の修復も目標を70キロ上回る132キロにわたり、渤海近海域の37.5%が海洋生態保護レッドライン区域に指定されている。(c)People’s Daily/AFPBB News