【11月30日 AFP】2015年に締結されたイラン核合意の再建に向けた同国と関連国間の協議が29日、オーストリアの首都ウィーンで再開した。議長を務める欧州連合(EU)高官は協議の感触について「非常に前向き」だと述べたが、一方でこの先には「困難な問題」が待ち受けているとも認めた。

 協議の再開は、イランが6月に保守強硬派のエブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)師を大統領に選出し、交渉を停止して以来となる。各国の交渉担当者は当時、合意が「近い」との見方を示していた。

 イランは数か月間にわたり、欧米諸国からの協議再開の訴えを無視するとともに、核開発を強化。ライシ師は8月、協議の再開に応じる意向を表明した。

 29日の協議にはイランの他、英国と中国、フランス、ドイツ、ロシアの代表が参加し、2時間余りで終了した。議長を務めるEUのエンリケ・モラ(Enrique Mora)欧州対外活動庁事務次長は、協議には核合意再建に向けた「緊迫感」があり、「非常に前向き」だと説明。同時に、「まだ困難な問題が待ち受けている」と指摘した。

 米国は、協議に間接的に参加。協議再開に先立ち、イランの最近の動向は核合意の再建を目指す上で「良い兆候ではない」との見解を示していた。(c)AFP/Anne BEADE, Jastinder KHERA