■オンラインで1億円以上の買い物に「心理的抵抗なし」

 これはバブルなのだろうか。

 この疑問は以前にも持ち上がった。とりわけ1980年代には、金回りの良さを誇示しようとした新世代「ヤッピー(都会の高所得者の若手エリート)」の影響でアート市場は過熱寸前に見えた。

 その後、2008年の世界金融危機など、何度かアート熱が冷める時期はあったが、全体のトレンドとしてはずっと上向いている。

 アートプライスによると、2000年には1億300万ドル(約117億円)だった現代アート市場の規模は、現在27億ドル(約3060億円)まで成長している。

 コンサルティング・グループ、デロイト(Deloitte)は、2020年時点で超富裕層が所有する美術品や収集品について時価総額1兆4500億ドル(約160兆円)と推計している。

 超富裕層には「100万ドル(約1億1000万円)以上するものをオンラインで買うことに対する心理的抵抗がないのです」とエルマン氏は語った。(c)AFP/Hugues Honore and Eric Randolph