【11月29日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のボストン・セルティックス(Boston Celtics)に所属するトルコ出身のエネス・カンター(Enes Kanter)が、29日に米国の市民権を取得することをきっかけに、名前をエネス・カンター・フリーダム(Enes Kanter Freedom)に変更すると、米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)が伝えた。

 29歳のカンターは、以前からトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を批判しており、2017年には大統領を「現代のヒトラー」と呼んだ。批判の矛先はトルコにとどまらず、中国の人権問題や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を呼び掛けなかったNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ(LeBron James)も非難している。

 ジェームズとつながりのある米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)が、中国の少数民族のために行動しなかったとも考えており、米CNNのインタビューでは「ナイキのシューズを履き、Tシャツを着るたび、その裏では多くの涙と血が流れ、抑圧があることを忘れないでほしい」と発言。「無数の」ウイグル族がナイキの工場で働かされ、「現代の奴隷制」の下に置かれていると訴えた。

 中国については、習近平(Xi Jinping)国家主席を「残忍な独裁者」と呼び、中国のチベット政策も非難している。

 カンターは、2011年のドラフトでユタ・ジャズ(Utah Jazz)から全体3位で指名されてNBA入りすると、オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)、ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)、ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)、セルティックス、トレイルブレイザーズと渡り歩き、現在はセルティックスに復帰している。(c)AFP