【11月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)を1980年代から1990年代にかけて席巻した名門ウィリアムズ(Williams)の創設者、フランク・ウィリアムズ(Frank Williams)氏が79歳で死去した。チームが28日に発表した。

 ウィリアムズはフランク氏がチームを率いた時期にドライバーズタイトル7回、コンストラクターズタイトル9回を獲得。しかし1997年を最後に優勝からは遠ざかり、フランク氏が2012年に取締役を退任すると、2020年には一家自体がチームを米国の投資会社ドリルトン・キャピタル(Dorilton Capital)に売却し、43年続いたチーム経営から退いていた。

 またフランク氏は、1986年にフランスで自動車事故に遭って重傷を負い、以降は車いすを使っていた。

 チームは「ウィリアムズ・レーシングチームは、創設者のフランク・ウィリアムズ卿がこの世を去ったことを深く悲しんでいる」と発表し、「フランク卿はF1の伝説であり象徴だった。彼の逝去は、われわれにとっても、F1というスポーツにとっても、一つの時代の終わりを意味する。彼は唯一無二の、真の先駆者だった」と悼んだ。

「すさまじい人生の逆境の中で、彼はチームを16回の世界タイトルに導き、われわれをF1史上最も大きな成功を収めたチームへ成長させた」

 1996年にウィリアムズで年間優勝を果たしたデイモン・ヒル(Damon Hill)氏は、フランク氏はF1史上に重要な位置を占める人物だと話し、英スカイ・スポーツ・ニューズ(Sky Sports News)に対して「彼に比肩し得るのはエンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)氏だけ。フランクはF1を愛し、レースを愛していた。チーム経営者なら、誰もが彼のような実績と記録を残したいと思う人物だった」とコメントした。

 ウイリアムズとタイトルを争った1990年代にフェラーリ(Ferrari)のチーム代表を務めた、国際自動車連盟(FIA)会長のジャン・トッド(Jean Todt)氏は、ツイッター(Twitter)で「F1の歴史に永久の印象を残した」と語り、「先駆者であり、素晴らしい人格を備えた模範的な男だった」と称賛した。

 現在ウィリアムズのドライバーを務めるジョージ・ラッセル(George Russell)も、哀悼の意を表した。(c)AFP