【11月28日 AFP】サッカーポルトガル1部リーグのベレネンセス(Belenenses)は27日、チーム内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がったため、同日のベンフィカ(Benfica)戦にわずか9人で臨んだ。試合は後半開始早々に打ち切りとなった。

 ホームにベンフィカを迎えたベレネンセスは、チーム内で新型コロナの感染が拡大したことにより、フィールドプレーヤーとして送り出したGKのジョアン・モンテイロ(Joao Monteiro)を含めて先発9人、控え選手ゼロの状態で試合をスタートしなければならなかった。

 迎えた試合は0-7で前半を折り返すと、ベレネンセスはさらに3人が負傷して6人となったため、マヌエル・モタ(Manuel Mota)主審は後半開始から3分で試合終了を宣言した。

 ベレネンセスのルイ・ペドロ・ソアレス(Rui Pedro Soares)会長は、「今夜、ここで試合をしなければならなかったのは屈辱だ」と話しつつ、「プレーを強いられた選手たち」をたたえた。

 ポルトガル国内では、ベレネンセスは選手14人とスタッフ数人がコロナのため不在だったと報じられている。会長によれば、「試合開催を希望しないこと、プレーできる選手が8人しかいないこと」をリーグに伝えたが、「ピッチに姿を見せなければ、正当な理由のない試合放棄とみなされる可能性があった」という。

 ベンフィカの会長を務めるルイ・コスタ(Rui Costa)氏も「ポルトガルサッカーにとって暗黒の章だ」と話し、ルールを守るために「ベレネンセスと同様、われわれも出場を義務づけられていた」と続けた。スタジアムに集まったサポーターは「恥知らずなリーグ」と不満の声を上げた。

 開催強行の判断は、ベレネンセスのアフォンソ・ソウザ(Afonso Sousa)ら欠場した選手から批判の声が上がり、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)に所属するポルトガル代表のベルナルド・シウバ(Bernardo Silva)も「何なのこれ? 延期にならなかった理由が理解できないのは僕だけ?」と疑問を呈している。

 ベレネンセスは試合開始時点で16位、一方のベンフィカは3位につけていた。(c)AFP