【11月27日 AFP】中国女子テニスの彭帥(Peng Shuai、35)が前副首相から性的関係を強要されたと告発した後に消息不明となった問題で、女子テニス協会(WTA)の広報担当者は27日、同協会のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)が彭について「依然として深く懸念している」と発表した。

 広報担当者は、サイモン氏がさまざまな手段で彭と接触したものの、「送ったメール2通への返信は、他者からの影響が明白だった」と明らかにした。

 担当者によれば、サイモン氏は彭が今も検閲や圧力から自由ではないと「依然として深く懸念」しており、「検閲者ではなく、本人からの返答であると確信できるまで」はメールでの連絡は行わないと判断。

 また、WTAは「自由に、オープンに、直接的にコミュニケーションを取る」ことが彭にできるかどうかについても憂慮しているという。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全仏オープン(French Open)の女子ダブルスで優勝経験がある彭選手は、現在70代の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相から性行為を強制され、数年間にわたり断続的に関係を持っていたと告発した後、2週間以上にわたって消息不明となっていた。

 21日、北京で行われたテニスの大会に参加する彭の写真が公開されたほか、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と彭がテレビ電話で会話している。(c)AFP