【11月27日 AFP】イタリアの人口が今後50年で20%減少するとの推計をイタリア国家統計局(ISTAT)が26日に発表した。同国の出生率は、長年にわたり欧州最低水準となっている。

 ISTATは「イタリア人口の未来─居住者の減少、高齢者の増加、世帯数減」と題した報告書で、データは「危機的状況に陥る可能性」を示すものだと警鐘を鳴らしている。

 推計によると、65歳以上が総人口に占める割合は現在の23.2%から増加し、2050年までに35%となる見通し。

 ISTATは「年齢別人口の構成比はすでに高齢層に偏っており、この傾向が逆転する要因は今のところない」として、今後数年間で出生数が増加に転じる可能性はほぼないと指摘している。

 イタリアの人口は、2020年1月の5960万人から減少し、2070年には20%減の4760万人になると予測されている。平均年齢は2020年の45.7歳から上昇し、2050年には50.7歳になる見通し。

 2007年から死亡数が出生数を上回る自然減の状態が続いており、30年以内に年間死亡数は78万4000人に増加し、出生数39万1000人の2倍となると予測されている。

 ISTATは、他国から流入する人口は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の収束後に再び増加に転じると指摘。2023年からはパンデミック前の水準である年間約28万人を回復するが、2070年には24万4000人に減少するとみている。

 他国へ流出する人口もいずれパンデミック前の水準を回復し、2025年には年間14万5000人となるがその後減少し、2070年には12万6000人になると予測している。(c)AFP