【11月27日 AFP】愛と歴史を重んじるインド人実業家が、世界でもっとも有名な夫婦の「愛の記念碑」をまねて、最愛の妻のためにタージマハル(Taj Mahal)のレプリカを建てた。

 本物は、17世紀にムガール(Mughal)帝国の皇帝シャー・ジャハーン(Shah Jahan)が、出産が原因で死亡した妻のムムターズ・マハル(Mumtaz Mahal)の霊廟(れいびょう)として建設した。

 アナンド・プラカシュ・チョクシー(Anand Prakash Choukse)さん(52)がレプリカを建てたいきさつに悲劇的なエピソードはない。妻は健在で、建設プロジェクトの相談にも乗った。

「妻の唯一の要望は、瞑想(めいそう)室だった」とチョクシーさんはAFPに話した。「妻によれば、建物のドームの影響で環境が変わり、ポジティブなエネルギーがたくさん生じるそうだ」

 本物は首都ニューデリーの南方アグラ(Agra)にあるが、レプリカは800キロ離れたブルハンプル(Burhanpur)に建てられた。

 レプリカの大きさは本物の約3分の1で、建築期間は本物よりも十数年短い3年だった。費用は1500万ルピー(約2300万円)かかった。

「タージマハルに使われたものと同じマクラナ(Makrana)産の大理石を使った」とチョクシーさんは明かした。

 メインドームの上にインド国旗を掲揚し、建物を囲む四つのミナレット(塔)にはインドの信者数上位4宗教のシンボルを入れる計画だ。

 チョクシーさんは「平和と宗教間の調和のメッセージを伝えたい。どこも憎しみがあふれているが、愛は人生のすべての問題を解決する。タージマハルはその象徴だ」と話した。(c)AFP