【11月27日 AFP】独製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)は26日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、南アフリカで検出された新たな変異株「B.1.1.529」に対する予防効果の調査を急いでいると明らかにした。

 同社の広報担当者は「遅くとも2週間以内には、研究所での検査からより多くのデータが得られる見通し」であり、「これらのデータからは、B.1.1.529が世界に広まった場合にワクチンの調整が必要になる可能性がある『エスケープ変異株』であるかどうかについて、さらなる情報が得られる」と説明した。

 新たな変異株発見を受け、各国で警戒感が強まっている。同変異株には多くの変異が認められることから、感染力が強いデルタ株よりも危険性が高いのではとの懸念も生じている。

 ビオンテックによると、B.1.1.529はスパイクタンパク質に複数の変異が加わっている点で、これまでに確認された変異株とは大きく異なる。だが、新技術のメッセンジャーRNA(mRNA)を用いた同社製ワクチンに調整が必要になったとしても、短期間で修正可能だという。

 広報担当者は、「エスケープ変異株が発生した場合、6週間以内にわが社のmRNAワクチンを適応させ、100日以内に初出荷する」ことを目指し、すでに数か月前からファイザーと共に対策を講じていると述べた。(c)AFP