【11月26日 AFP】「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for the Elimination of Violence Against Women)」に合わせ、欧州や南米を中心に世界各地で25日、女性に対する暴力の根絶を求めるデモが行われた。メキシコやトルコでは警官隊が発煙筒や催涙弾を使用し、緊張が高まる場面もあった。

 メキシコ市やスペインのマドリード、バルセロナ(Barcelona)では数千人が行進。仏パリや英ロンドン、南米のチリ、ベネズエラ、ボリビア、ウルグアイ、中米グアテマラなどでもデモが行われた。

 国連(UN)の中南米カリブ経済委員会(ECLAC)によると、中南米全域では昨年、少なくとも4091人の女性がフェミサイド(女性を標的とした殺人)の犠牲となった。

 毎日約10人の女性が殺害されているメキシコで行われたデモでは「彼女たちは死んだのではない。殺されたのだ」と書かれた横断幕が掲げられた。メキシコ市では、ハンマーを握った少数のデモ参加者が警官の盾を奪おうとしたのに対し、警官隊が発煙筒を使って排除する場面もみられた。

 トルコのイスタンブールでは、女性保護を目的とした「イスタンブール条約」への復帰を求めるデモに数百人が参加。機動隊が催涙ガスを発射し、衝突が起きた。

 トルコ政府は今年初め、男女平等は伝統的な家族の価値観を損なうとして同条約からの離脱を表明した。権利団体によると、トルコでは今年これまでに345人の女性が殺害されている。(c)AFP