【11月26日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が死去してから1年を迎えた25日、母国ブエノスアイレスにある子ども時代の家には花が手向けられたり、同氏が現役時代を過ごしたイタリア・ナポリ(Napoli)では銅像がお披露目されたりするなど、世界中で人々が故人をしのんだ。

 サッカーの才能で崇拝され、その破天荒な私生活やレガシーで敬愛されたマラドーナ氏に対し、この日は各地でファンや選手、コーチ、クラブ、そして愛する遺族が追悼した。

 ブラジルの偉大な元サッカー選手であるペレ(Pele)氏は、自身のインスタグラム(Instagram)に「ディエゴが亡くなって1年。友よ、永遠なれ」とつづった。

 マラドーナ氏と同様にアルゼンチン代表の背番号10を背負ったリオネル・メッシ(Lionel Messi)も、同氏の顔写真が印刷された代表ユニホーム姿の自身の写真をSNSに投稿し、「ディエゴよ、永久に」とのメッセージを添えた。 

 また、同氏が育ったブエノスアイレスの貧民街ビジャフィオリト(Villa Fiorito)から、キャリア全盛期の数年間を過ごしたナポリ、そしてインドに至るまで、世界各地でもトリビュートがあふれた。

 マラドーナ氏が貧しい子ども時代を過ごした家には花束が手向けられたほか、「あなたは私たちに天国を与えてくれた」と書かれたものなど、たくさんのメッセージが殺到。ファンの一人は、「マラドーナはアルゼンチンの人々の声だった。われわれはこれからも彼を恋しく思い、全身全霊で愛するだろう」と涙を流しながら語った。

 同氏が埋葬されているベラビスタ墓地(Bella Vista cemetery)では、遺族だけが中に入ることを許された。ファンは激しい雨が降る中で「D10S、ここに眠る」と刻まれた巨大壁画に祈りをささげた。「D10S」はスペイン語で神を表す「Dios」にちなんだ言葉となっている。

 インド・コルカタではマラドーナ氏の銅像が花で飾り付けられ、同国南部ケララ(Kerala)州では2012年に同氏が滞在して聖地のような場所となっているホテルにファンが集結した。

 ブエノスアイレスと同じようにマラドーナ氏がアイコン的存在となっているナポリでは、死後にスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ(Diego Armando Maradona Stadium)と改名された古巣ナポリ(SSC Napoli)の本拠地の外で、同氏の銅像がお披露目された。

 同スタジアムでは28日にも別の銅像が披露される予定で、クラブのアウレリオ・デ・ラウレンティス(Aurelio De Laurentiis)会長によれば、「選手たちが偉大なサッカーの神の手や足に触れられる」ようになるという。

 マラドーナ氏は亡くなったかもしれないが、特にアルゼンチンでは街に同氏の壁画が点在しているほか、テレビシリーズで生前の人生が描かれたり、その名前が「礼拝」の対象になっていたりするなど、現在でも至る所でその存在を感じられる。(c)AFP/Daniel Merolla with Liliana Samuel in Bella Vista