【11月25日 AFP】米南部ジョージア州で昨年2月、ジョギング中だった黒人男性が白人の男3人にピックアップトラックで追いかけられ、射殺された事件の裁判で、陪審は24日、殺人などの罪で男3人に有罪評決を言い渡した。裁判は人種問題に絡み、全米の注目を集めていた。

 アマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さん(25)を射殺したトラビス・マクマイケル(Travis McMichael)被告(35)に加え、その父親で元警官のグレゴリー(Gregory McMichael)被告(65)、トラックでの追跡に加わった隣人のウィリアム・ブライアン(William Bryan)被告(52)は、いずれも殺人罪で有罪となった。終身刑が言い渡される可能性がある。

 事件では、武器を所持していなかったアーベリーさんが射殺される様子を撮影した映像がSNS上で拡散。昨年ミネソタ州で白人警官が黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)を殺害した事件をきっかけに起きた人種差別反対運動に拍車をかけた。

 裁判で被告側は、周辺地域で犯行を繰り返していた強盗犯とアーベリーさんを取り違え、一般市民が容疑者を拘束できる「私人逮捕」を試みたとして、無罪を主張。だが検察側は、アーベリーさんを拘束する正当な理由はなく、被告は逮捕の意図を伝えてもいなかったと反論していた。私人逮捕を認める州法はその後、廃止されている。(c)AFP