【11月28日 CGTN Japanese】配達員の収入は時間との勝負ですが、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)臨平区塘栖鎮には、食事の出前のピーク時にあえて注文を受けない配達員の男性がいます。配達先の客が食事を済ませるのを待つためです。

 客は計旭鶯(Ji Xuying)さんといい、長年寝たきりの生活をしています。家族が仕事や子どもの世話で食事の準備に間に合わない時、計さんは食事の宅配サービスを利用しています。配達員の葉陽輝(Ye Yanghui)さんはその自宅に来た時、寝たきりの計さんのベッドに小さなテーブルを用意し、弁当箱のふたを開けてあげて、「熱いから気を付けて」と優しく言葉をかけます。そして、食事が終わるのを待ち、弁当箱を外のごみ捨て場に捨てるなどの手伝いをします。体が不自由なため計さんは食事に時間がかかり、葉さんはそのため注文を一時ストップさせています。そのため、注文を2、3件失うことになります。

 葉さんは2018年夏、21歳の時に塘栖鎮にやってきて飲食の配達を始めました。その後間もなく計さんからの注文を受けたのですが、これまで合計で500回ほど計さんのために出前をしています。計さんは時には話すのも難しいですが、葉さんが来るたびに、満面の笑みになるということです。

 葉さんは計さんの状況を会社の同僚にも伝え、計さんの注文を受けた時に世話をするよう呼び掛けました。この呼び掛けに100人もの配達員が応じており、支援活動はすでに3年近く続いています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News