【11月25日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)と奈良県の友好提携10周年を記念して、奈良県主催、陝西省協賛によるイベント「奈良県・陝西省 交流の軌跡」が20日、奈良県コンベンションセンターで開催された。

 オンラインで参加した陝西省の趙一徳(Zhao Yide)省長は、2011年に同省と奈良県が友好提携を締結して以降、考古学や文化、観光、スポーツ、教育などさまざまな分野で一連の交流・協力が実施され、実りある成果を上げていると指摘。友好10周年を新たな出発点として、友好発展の勢いを揺るぎないものとし、中日両国の関係に新たな展望を開くために、さらなる貢献をしていくと意欲を示した。

 中国の薛剣(Xu Jian)駐大阪総領事はあいさつで「現在、中日関係が多くの複雑な問題を抱えているのは事実だが、困難なときほど鑑真(がんじん)大師や阿倍仲麻呂ら、中日友好に尽くした先人たちに学び、苦難を恐れず、開拓と進取の精神で両国の友好関係を維持、継承、発揚するよう努めるべきだ」と述べた。

 奈良県の荒井正吾知事は、奈良県と陝西省は歴史的に深いつながりがあり、文化的な交流も盛んであると表明。二つの地が今回のイベントを機に友好関係をさらに強固なものへと発展させ、文化や観光、科学、教育などさまざまな分野での交流と協力を強化し、友情の木を末永く青々と茂らせることを期待すると述べた。

 パネルディスカッションでは、両国の考古学研究者が互いの考古学交流の枠組みと経験を共有し、新型コロナウイルス感染症収束後の一日も早い対面交流再開に期待を寄せた。また、中国の西北大学文化遺産学院の冉万里(Ran Wanli)教授が、遣唐使として唐に渡った日本人、井真成の墓誌についてオンラインで発表した。(c)Xinhua News/AFPBB News