【11月24日 AFP】中国の昨年の出生率が、1949年の建国以来最低の8.5となったことが、先週公開された国家統計局(National Bureau of Statistics)の年鑑で明らかになった。労働人口の急速な高齢化や経済成長の鈍化、人口増加の減速による人口危機が浮き彫りとなった。

 政府は2016年、厳格な人口抑制策「一人っ子政策」を緩和し、子どもを2人まで認めた。今年には3人まで拡大された。

 しかし、物価上昇や女性の自立が進んだことで、緩和後も期待されていたようなベビーブームは起きていない。

 国家統計局の2021年の年鑑によると、昨年の1000人当たりの出生数は8.5人と、前年の10.41人から大幅に減少した。1949年の近代中国の建国以来で最低だったという。

 2020年の結婚件数は、過去17年で最低となる814万組だった。新型コロナウイルスの流行初期には一部地域で長期間のロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、役所などが閉鎖されたが、年の大半は結婚手続きに関する制約はほぼなかった。

 昨年初めには、離婚を申請してから成立までに30日の「冷却期間」を置く制度が導入され、離婚件数は少なくとも過去30年で初めて減少した。

 さらに政府は9月、「医学的に必要」とされない人工妊娠中絶を減らすよう求めた。(c)AFP