【11月24日 AFP】ポーランドのイスラム教墓地で23日、ベラルーシから国境を越え入国したイラク人移民女性が妊娠27週目で死産した胎児の埋葬が行われた。

 今夏、ベラルーシから隣国ポーランドへ移民が押し寄せ始めて以来、両国の国境地域では少なくとも11人が死亡している。今月初めには移民の数が増加し、事態は悪化。移民たちは有刺鉄線が張られた国境沿いの過酷な状況下で野営している。

 死産した胎児の家族は12日、国境沿いの森でポーランドのボランティアに保護された。ボランティアが日刊紙ガゼタ・ビボルチャ(選挙新聞、Gazeta Wyborcza)に語ったところによると、静かに座る子どもたちの隣で、母親は叫び続け、父親は動揺した様子で助けを求めていた。

 母親は2日前から苦しみ続け、横になって水を吐き、何も食べていなかったという。母親は救急車で病院に搬送され、胎児の死亡が確認された。

 胎児の遺体は、北東部ボホニキ(Bohoniki)にあるポーランドの少数民族タタール(Tatar)人向けイスラム教墓地に埋葬された。同墓地には他にも3人の移民が埋葬されている。

 母親は深刻な容体で今も入院しており、父親は5人の子どもと一緒に近くのビャウィストク(Bialystok)の移民施設にいるため、いずれも埋葬には立ち会わなかった。(c)AFP