【11月24日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日、欧州での新型コロナウイルス流行の勢いは引き続き「強固」であり、この傾向が続けば今冬に70万人が死亡する可能性があると警告した。

 欧州の現在の累計死者数は150万人。WHOは、これが来年3月1日までに220万人を超える可能性があるとしている。

 欧州が再び新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)中心地となった理由としては、一部の国でのワクチン接種率の伸び悩みや、感染力の強い変異株「デルタ株」の流行、気温低下による屋内活動の増加、規制緩和などが指摘されている。

 今週には、オーストリアが再びロックダウン(都市封鎖)を導入。ドイツとオランダは新規制を発表する見通しだ。

 欧州連合(EU)全体では、人口の67.7%がワクチン接種を完了しているが、接種率は国によって大きく異なる。東欧諸国の多くでは接種率が低く、ブルガリアが24.2%なのに対し、ポルトガルでは86.7%となっている。

 WHOのデータによると、欧州地域53か国の1日当たりの新型コロナウイルス関連死者数は先週、約4200人となり、9月末の2100人から倍増した。感染や軽症・中等症を予防するワクチンの効果が弱まっていることを示す証拠も増えているという。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT