【11月23日 AFP】(更新)中国女子テニスの彭帥(Peng Shuai)選手が前副首相から性的暴行を受けたと告発した問題で、同国政府は23日、彭選手に関する懸念は「悪意をもって誇張された」との見解を示した。

 英ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全仏オープン(French Open)の女子ダブルスで優勝経験がある彭選手は、張高麗(Zhang Gaoli)前副首相を告発して以来、2週間以上にわたり消息不明となっていたが、21日に北京で行われたテニスの大会で、告発後初めて公の場に姿を見せていた。

 彭選手の問題が、北京冬季五輪を来年2月に開催する中国の国際的なイメージに影響したかとの質問を受けた外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は「一部の人々が故意に、悪意をもって誇張するのをやめるべきだと思う。問題を政治化するのはもっての外だ」と述べた。

 さらに趙報道官は、彭選手が「最近複数の公的行事に出席したり、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長とビデオ通話をしたりする様子を、皆目にしたはずだ」と言い添えた。

 同報道官のコメントは、彭選手の問題に関して中国政府が発した最も直接的な回答となった。

 中国は23日まで、彭選手の消息と安否に関する質問について、「外交問題ではない」として一切応じていなかった。(c)AFP/Ludovic EHRET