【11月22日 AFP】イラクの首都バグダッドの裁判所は21日、12歳の少女の宗教婚(宗教儀礼に基づく結婚)をめぐる裁判の聴聞会を延期した。少女の母親の代理人が明らかにした。母親は結婚に反対している。

 母親の代理人を務めるマルワン・オベイディ(Marwan Obeidi)氏はAFPに対し、聴聞会は28日まで延期されたと述べた。

 裁判所の外では人権活動家がデモを行い、「未成年者の結婚は子どもに対する犯罪だ」などと書かれたプラカードを掲げた。

 子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」によると、イラクでは婚姻可能年齢は18歳からと定められているが、親や裁判所の許可を得た場合、15歳から結婚することができる。

 セーブ・ザ・チルドレンは最新の報告書で、「宗教婚は民事または宗教裁判所では認められていないが、頻繁に行われており、少額の罰金を支払えば正式に認められる」と指摘している。

 母親は、娘のイスラーさんが「レイプ」され、父親に連れ去られたと話している。

 一方、内務省の女性の暴力問題を扱う部局は、イスラーさんと父親、結婚相手と面談したところ、イスラーさんは、結婚は強制されていないと述べたとしている。宗教上の契約も確認したという。

 イラクなどアラブ諸国では、保守的な地方での児童婚は珍しくない。(c)AFP