【11月22日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセルで21日、新型コロナウイルスの感染防止策に抗議するデモが暴動に発展し、参加者と警官隊が衝突した。

 現場にいたAFPカメラマンによると、デモは平和的に始まったが、参加者が物を投げ付けると、警官隊が放水砲や催涙ガスで対抗した。少なくとも警官2人が負傷した。欧州委員会(European Commission)ビル近くでは、参加者1人が救急車で搬送された。

 警察はベルガ(Belga)通信に対し、暴動で警官3人が負傷したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。警察によるとデモには3万5000人が参加した。

 暴徒化した参加者の一部は、ナチス・ドイツ(Nazi)がユダヤ人に着用させた「ダビデの星(Star of David)」を思わせる黄色い星のワッペンを着けていた。木製パレットに火を付ける参加者もいた。

 ソーシャルメディアに投稿された画像には、参加者が警察車両を襲い、道路標識を破壊する様子が捉えられていた。

 警察によると、42人が一時拘束され、2人が逮捕された。夕方までには鎮圧され、道路の通行も再開した。

 デモは、政府が17日に発表した新型コロナ対策の新規制に抗議するもので、特にワクチン未接種者を対象としたレストランやバーへの立ち入り禁止に強い反発が示された。

 ベルギーでは過去1週間の1日当たりの新規感染者数が平均1万300人近くと、感染状況は1年前の水準に戻っている。19日の死者数は42人だった。(c)AFP/Kenzo TRIBOUILLARD