【11月22日 AFP】中国の前副首相から性的関係を強要されたと告発して以来、消息不明になっていた女子テニスの彭帥(Peng Shuai、中国)が、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長とテレビ電話をし、元気で無事に過ごしていると話した。IOCが21日に発表した。

 IOCは、バッハ会長との30分の電話の冒頭で、「彭帥は自分の状況を心配してくれたことをIOCに感謝した」と明かし、次のように続けた。

「彭は元気で無事に、北京の自宅で過ごしているというが、当面はプライバシーを尊重したいと話した。そのため今は友人や家族と過ごしたいと思っている。とはいえ、テニスには今後も関わりたいと考えている。彼女はこのスポーツを心から愛している」

 彭は今月初め、中国の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相から性行為を「強制」され、数年間にわたり断続的に関係を持っていたとSNSで告発し、その投稿がすぐさま削除された後、音信不通になっていたが、この日中国のテニス大会に参加している様子を撮った写真が大会から公開され、告発後初めて公の場に姿を見せていた。

 その間、有名テニス選手や国連(UN)など、国際社会は懸念を示し、これに対して中国側は国営メディアの記者が彭の無事を示しているとする動画を立て続けに投稿していた。(c)AFP/Nina Larson with Laurie Chen