【11月21日 AFP】米当局は19日、カリフォルニア州で今年落雷により発生した二つの山火事により、貴重なジャイアントセコイア3600本が被害を受けたと発表した。セコイアへの火災の影響についての本格的調査は今回が初めて。

 それによると、山火事の影響で直径120センチを超えるジャイアントセコイア最大3600本が焼けた、または今後5年以内に枯死するとみられている。今回被害を受けたのは全体の5%で、1年前には14%が焼失している。

 カリフォルニア州をはじめとする米西部各地では今年、数年にわたる干ばつと温暖化により、大規模な山火事が発生した。

 セコイア国立公園(Sequoia National Park)では、推定樹齢200年、高さ83メートルの「シャーマン将軍の木(General Sherman Tree)」と呼ばれるジャイアントセコイアを火災から守るため耐火シートを巻きつけ、世界的に注目された。シャーマン将軍の木は無事だった。

 ジャイアントセコイアの幹の体積は樹木の中で最も大きくなる。樹齢は数千年に及び、その間に山火事に何度も見舞われるが、厚い樹皮に覆われているため熱に強い。また、火の熱により球果(実)が開き、種が拡散される。

 ただ、火の勢いが強く、長時間にわたってさらされると、回復できないほど損傷してしまうこともある。

 ジャイアントセコイアはカリフォルニア州シエラネバダ(Sierra Nevada)山脈にのみ自生するが、今年発生した二つの火災で27の群生地が焼失した。(c)AFP