【11月20日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は19日、低身長症の最も多い原因である軟骨無形成症の子どもの成長を促す薬を初めて承認した。

 今回承認されたのは米製薬企業バイオマリン(BioMarin)が開発した「Voxzogo(別名ボソリチド)」。成長板と呼ばれる骨の末端近くにある軟骨の部分がまだ存在し、骨が成長する可能性がある5歳以上の軟骨無形成症の子どもへの治療に使われる。

 軟骨無形成症は、軟骨から骨への変化を妨げる遺伝性の骨系統疾患。成人になった軟骨無形成症の人の身長は平均120センチほどだ。

 米国立衛生研究所(NIH)によると、軟骨無形成症は呼吸障害をはじめ、脊椎側彎(そくわん)症や肥満、繰り返し起こる耳の感染症といった健康上の問題の原因となり得る。

 FDAによると、Voxzogoの安全性と有効性は1年かけて調べられ、同薬を注入された子どもの身長は平均で1.57センチ伸びた。主な副作用は注射部位の反応、嘔吐(おうと)、重篤な可能性のある血圧低下だった。

 今年8月には欧州委員会(European Commission)がVoxzogoの使用を承認しており、バイオマリンによれば、米国では12月に提供が開始される予定だ。(c)AFP/Claire SAVAGE