【11月20日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は19日、妊娠した女性が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった場合、死産のリスクが2倍になるとする研究結果を発表した。変異株の「デルタ株」が主流となった時期以降では、リスクは約4倍に上ったとしている。

 研究チームは、米国における2020年3月から2021年9月までの出産120万件以上をデータベースで分析。

 全体を通して死産は非常にまれで、全出産の0.65%に当たる8154件にとどまった。

 しかし、他の要素を含めて統計的に分析したところ、妊婦が新型ウイルスに感染していた場合、死産のリスクはデルタ株の流行前は1.47倍、同株が主流となってからは4.04倍になり、平均で1.90倍高くなっていたことが明らかになった。

 これまでの研究では、死産のリスクが上昇する生物学的な潜在的要因としては、炎症や胎盤への血流減少が考えられていたと研究チームは指摘。

 妊婦が新型ウイルスに感染している場合、死産の割合が高まる要因として、慢性的な高血圧をはじめ、多胎児出産、心臓の損傷、胎盤剥離、敗血症、ショック症状に至る血流低下、生命に関わるレベルの肺の損傷、人工呼吸器の装着や集中治療室(ICU)への搬送を必要とする状態などを挙げている。

 妊婦の新型ウイルス感染による合併症と死産のリスクの関係を調べるため、研究は今後も行うとしている。(c)AFP