【11月20日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は19日、製薬大手のファイザー(Pfizer)製とモデルナ(Moderna)製の新型コロナウイルスワクチンについて、18歳以上の全員を対象とした追加接種を承認した。新型ウイルスの死者が世界最多に上っている米国は現在、冬季に入り新たな流行の波に見舞われている。

 追加接種の対象はこれまで、免疫力が低下している人や、65歳以上、重症化リスクの高い人、リスクの高い職業の従事者に限定されていた。いずれのワクチンも、2回目の接種を終えてから6か月後に追加接種が可能になる。

 FDAは、ファイザー、モデルナ両社製のワクチンの追加接種を受けた数百人から強い免疫反応のデータが得られたことから、今回の決定を下したと説明。ファイザーが16歳以上の1万人を対象に行った臨床試験(治験)では、追加接種による発症予防効果が、追加接種を受けなかった人との比較で95%以上に上ったことが示されていた。

 米国は新型ウイルス流行の第5波に突入しており、最新のデータによると1日の新規感染者数は平均8万8000人に上っている。モデルナのステファン・バンセル(Stephane Bancel)最高経営責任者(CEO)は、「今回の緊急使用許可は、冬を迎え、全国的に新型コロナウイルスの感染者数や入院患者数が増加している極めて重要な時期に下された」と述べた。(c)AFP/Issam AHMED