【11月20日 AFP】女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は18日、中国のスター選手である彭帥(Peng Shuai、35)の安否が不明のままで、同国の前副首相による性的暴行疑惑が調査されないのであれば、同国とのビジネス関係を解消する用意があると警告した。

 元世界女王のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が彭の消息確認を呼び掛けたのを受け、サイモンCEOは同選手の無事を確認するためには、数億ドルの価値がある巨大マーケットの一つである中国とのビジネスを失うこともいとわない姿勢を示した。

 米CNNとのインタビューでサイモンCEOは「われわれは中国とのビジネスから撤退し、それにより生じるさまざまな問題に対処していく用意がある」と述べ、「女性は敬われるべきであり、検閲されてはならない」と続けた。

 四大大会(グランドスラム)のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全仏オープン(French Open)の女子ダブルスで優勝した経験を持つ彭は今月、現在70歳代の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相から性行為を「強制」され、数年間にわたり断続的に関係を持っていたと訴えた。

 中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)に投稿されたこの告発内容はすぐさま削除され、彭の所在も分からなくなっている。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が中国共産党の上層部に及んだのは、これが初めてとなる。(c)AFP