【11月21日 Xinhua News】ブラジルと中国の経済・貿易協力は今年以降も深化が続き、貿易額も拡大している。ブラジルの一部の専門家と権威筋も「中国チャンス」がブラジル経済に力強い成長原動力を与えているとの見方を示す。

 ブラジル紙「バロール・エコノミコ」はこのほど出した特集号で、ブラジルと中国の貿易額は今世紀の初頭に年間10億ドル(1ドル=約114円)にすぎなかったが、今では60時間でこの数字を達成できると指摘した。ブラジルの対中輸出が国内総生産(GDP)に占める割合はこの20年で2%から32・3%に拡大し、2009年には中国が米国を抜きブラジル最大の輸出相手国になった。二国間貿易額は21年上半期(1~6月)にも大きく増加し、両国協力には明るい前途が開けている。

 リオデジャネイロ州立大学のElias Jabbour経済学教授は新華社の書面インタビューで、対中貿易はブラジル経済運営の重要な支柱であり「ブラジル・中国貿易は絶え間なく増加する」と語った。

 Jabbour氏は、昨年の対中輸出が対米輸出の3・3倍だったと指摘。今年は対中貿易関係がさらに深化し、1~8月の対中貿易黒字が貿易黒字全体の67%を占めたほか、1~9月は前年の対中貿易黒字額を上回ったと説明した。

 中国政府が新型コロナウイルス感染拡大時期に対外開放と経済協力措置を続けたことについては、世界経済の回復を力強く後押ししたと評価。対中貿易の拡大はブラジル経済にとって極めて重要だと述べた。

 ブラジルの業界筋は、紙パルプや鉄鉱石などの大口商品(コモディティー)の対中輸出がここ数年で安定的に増加していると指摘する。肉類や果物、蜂蜜などの対中輸出機会も増えており、農産物の対中輸出が輸出全体に占める割合はこの10年間で大きく上昇したという。彼らは、二国間貿易の拡大基調を固め、中国市場の開拓を続けるとともに、貿易構造を改め、国際物流コストの上昇などの課題を克服し、対中貿易規模をさらに拡大したいと考えている。(c)Xinhua News/AFPBB News