【11月19日 AFP】アフガニスタンのサッカー女子ユースチームが18日、米タレントで実業家でもあるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんらの支援で英国へ逃れた。

 アフガニスタン女子ユースチームの国外退避を手助けしたロキット財団(ROKiT Foundation)によると、選手35人とその家族の計130人は、同日未明に英ロンドン東部のロンドン・スタンステッド空港(London Stansted Airport)に到着した。

 イスラム主義組織タリバン(Taliban)が支配するアフガニスタンから逃れて以降、選手団は30日間の滞在ビザ(査証)でパキスタンにとどまっていたが、他に受け入れる国が見つからなければ安全の保証期限が切れて母国へ送還されるリスクにさらされていた。

 しかし、チャーター機で英国入りした選手団は、新型コロナウイルスの隔離期間としてホテルで10日間を過ごした後、新しい生活をスタートさせることになった。

 8月15日に政権を掌握して以降、タリバンは女性がサッカーをすることを認めているが、公の場でのプレーを禁じるなど厳しい条件の下に制限している。アフガニスタンの女子サッカーチームでは、ポルトガルに逃れた選手もいるという。

 英国に到着したサッカー選手を手助けした組織の一つであるイングランド・プレミアリーグ、リーズ・ユナイテッド(Leeds United)のアンドレア・ラドリッツァーニ(Andrea Radrizzani)会長は、「勇敢なチームの元主将カリーダ・ポパル(Khalida Popal)氏が率いるアフガニスタンの女子育成チームと家族が、大勢のパートナーによる大規模な尽力により、無事に英国に到着したことを喜んでいる」とのコメント文を発表した。

「われわれが役目を果たせたことは光栄であり、選手たちの移住を可能にしてくれた英国政府に感謝している」

「慈善団体とリーズ・ユナイテッドを通じ、われわれは少女たちとその家族がこの国になじみ、豊かな未来を構築することを支援するための態勢を整えていく。彼女たちが再びサッカーをプレーしている姿を見るのが待ちきれない」 (c)AFP