【11月19日 AFP】(更新)米大リーグ(MLB)は18日、2021年シーズンの最優秀選手(MVP)が発表され、ア・リーグではロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)の大谷翔平(Shohei Ohtani)が満票を獲得して選出された。

 今季の大谷は指名打者として46本塁打、100打点を挙げると、23試合の先発登板で9勝2敗、防御率3.18を記録。打者と投手の二刀流で見事な成績を残し、そのまれな才能でベーブ・ルース(Babe Ruth)氏と比較されるほどだった。

 大谷は投票権を持つ全米野球記者協会(BBWAA)のメンバー30人から全ての1位票を集め、トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)のブラディミール・ゲレーロJr.(Vladimir Guerrero Jr.)とマーカス・セミエン(Marcus Semien)を抑えて受賞した。

 大谷は「(MVPは)取りたいなとはもちろん思っていました」とすると「(二刀流について)日本にいたときより米国に来たときのほうが受け入れてもらえる雰囲気があったので、感謝している」と続けた。

 先日にはシルバースラッガー(Silver Slugger)にも輝き、選手間投票では両リーグを通じてのシーズンMVPとア・リーグのアウトスタンディング・プレーヤーにも選出。野球界の外からも注目を集めた功績で「コミッショナー特別表彰」も受けたほか、米誌タイム(Time)による「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれるなど、今季は数々の賞を総なめにしている。

 27歳の大谷は前代未聞の道のりを追求するその決意が今季実を結び、打撃ではア・リーグ最多となる8本の三塁打を記録したのをはじめ、26盗塁もマーク。マウンドでは130回3分の1を投げて156奪三振を挙げるなど、その華々しい活躍で幾度もハイライトに登場した。

 エンゼルスの選手がシーズンMVPを受賞するのは、1979年のドン・ベイラー(Don Baylor)氏、2004年のブラディミール・ゲレーロ(Vladimir Guerrero)氏、そして2014年、16年、19年のマイク・トラウト(Mike Trout)に続き大谷が史上4人目。日本人選手では、ア・リーグ新人王にも選出された2001年のイチロー(Ichiro Suzuki)氏に続いて史上2人目となる。

 2018年シーズンにア・リーグ新人王に選出された後、右肘の靱帯(じんたい)を断裂してMLBでのキャリアが途絶えた時期もあった大谷は、1シーズンに本塁打45本以上、盗塁25回以上、そして三塁打5本以上をマークした両リーグ初の選手となった。

 また、1シーズンに投手として15試合以上に先発して本塁打30本以上を打ったのは、これまで大谷しかいない。

 チームメートのトラウトは「ショウヘイのシーズンはまさに電撃的なものだった。時にはリトルリーグに戻ったような気分になったね。8回投げて、本塁打を打って、盗塁して、それに右翼でプレーする選手を見て、信じられない気持ちになった」とコメント。

「ただ、彼に一番感銘を受けたのは、フィールド内外での彼の身のこなしだよ。毎日いろいろなことをしているが、それを笑顔でこなしているんだ」

 一方、ナ・リーグではフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)のブライス・ハーパー(Bryce Harper)がMVPを受賞した。ハーパーはワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)時代の2015年にも同賞に輝いており、史上5人目となる異なるチームでのMVP選出となった。

 投票でハーパーは17人から1位票を集め、ナショナルズのフアン・ソト(Juan Soto)やサンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)のフェルナンド・タティス・ジュニア(Fernando Tatis Jr.)を抑えた。(c)AFP